
豊増さんの器には、どこか絵心を感じる。
そう思っていたら、中国に留学していたときは水墨画を学び書を嗜んでいたと聞いて納得した。
中国の景徳鎮で技師としての地位を築いた父と、絵付け師だった母の間に生まれ、文化大革命を逃れて十歳で帰国。その影響は、作品の中にも表れる。
繊細な技の確かさをもとに、使う人の立場にたった器作りを心がけながら、どこかアーティスティックな感性ははずさない。それが彼のオリジナリティーだ。
飄々とした風貌で、「いろんな器に挑戦したい」と語りながら、決して揺るがない頑固な部分も持っている。素材にこだわり、そこから生まれる器を研究して、新たな伝統作りを目指している。